検査部
- 医療技術部長兼検査部技師長
伊﨑 精一
検査部では国家資格を有した臨床検査技師が働いており、患者様の血液や尿を分析したり、直接患者様に接して心電図検査や超音波検査を行ったりと、病気の診断や治療の判定、病状の経過観察等の手助けとなる情報を提供しています。その仕事内容は専門的かつ多岐にわたっており、高い専門性を互いに尊重し維持できるよう切磋琢磨して診療現場への支援に励んでいます。
当院検査部は、患者サービスの向上と地域に密着した対話のできる検査室にしていくことを目標としています。以下ホームページにも載せておりますが、正確かつ迅速な検査結果を患者様にお返しすることはもちろん、待ち時間対策や分かりやすい報告書、検査技師のスキルアップにも力を入れています。検査に関するお問い合わせ等ありましたら、当院検査部へお気軽にご相談ください。
方針
ジェネラリストの中のスペシャリスト
職員構成
【臨床検査技師】6名
各部門の紹介
検査部には大きく分けて検体検査部門と生理検査部門の2つの部門があります。
- 1.検体検査部門
血液検査や尿検査など患者様から採取された体液(血液・尿など)を使って、検査を行っています。
主に自動分析装置を用いて測定し、各検査を組み合わせて、病気の診断や経過を観察します。部門 検査内容 血液検査 赤血球数、白血球数、血小板数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、網状赤血球数、血液像(白血球分画)、赤血球沈降速度(血沈)、骨髄穿刺検査 凝固検査 PT、APTT、フィブリノゲン、Dダイマー、FDP、出血時間 生化学検査 総タンパク、アルブミン、総コレステロール、HDL、LDL、中性脂肪、ビリルビン、LDH、AST、ALT、γ-GT、ALP、CK、アミラーゼ、コリンエステラーゼ、尿素窒素、クレアチニン、尿酸、鉄、総鉄結合能、無機リン、アンモニア、ナトリウム、カリウム、クロール、カルシウム、血糖、HbA1c、インスリン 免疫検査 炎症マーカー検査:CRP
感染症検査:HBs抗原、HBs抗体、HCV抗体
腫瘍マーカー検査:CEA、CA19-9、PSA、フェリチン
甲状腺検査:TSH、FT4
心不全マーカー検査:BNP、NTproBNP輸血検査 ABO血液型検査、Rh血液型検査、不規則抗体検査、交差適合試験、直接抗グロブリン試験 一般検査 尿検査(定性・沈渣・各種定量)、便潜血検査、妊娠反応、関節腔液結晶検査、胸水・腹水検査 細菌検査 グラム染色 迅速診断
簡易検査心筋傷害マーカー検査:トロポニンT
感染症検査:インフルエンザウイルス、アデノウイルス、A群β溶連菌、肺炎球菌、レジオネラ、ノロウイルス、クロストリジウム・ディフィシル、ヘリコバクター・ピロリ(ウレアーゼ試験・鏡検法)、RSウィルス、マイコプラズマ抗原
生化学・免疫検査
輸血検査
尿検査
使用機器
生化学・免疫 | Atellica solution(SIEMENS) |
A1c | ADAMS A1c HA-8190V(ARKRAY) |
血液 | ADVIA 2120i ADVIA 560(SIEMENS) |
凝固 | CA600(Sysmex) |
輸血 | Swing、Banjo(BIORAD) |
血液ガス | RAPIDLab 348EX(SIEMENS) |
検尿 | Atellica1500(SIEMENS) |
エコー | ARIETTA S70(HITACHI) PROSOUND α10、PROSOUND α7(ALOKA) |
心電図 | 3台(FUKUDA DENSHI)うち2台はABI/PWV測定可能 |
肺機能 | Spiro sift SP370 COPD(FUKUDA DENSHI) |
聴力 | オージオメーターAA-58(RION) |
簡易SAS | pulsleep LS-120(FUKUDA DENSHI) |
ホルター心電計 | 1台(防水機能有するもの) |
検査部の特色
- 1.検査部理念である「ジェネラリストの中のスペシャリスト」をモットーに専門資格の取得に努めている
- 分野を限定しない幅広い知識・技術を身につけるとともに、適正を見極める特定分野に関しては深い知識や優れた技術を身につけられるように認定資格の取得を目指し、日々精進しています。
- 2.「検査で患者様を待たせない」を心掛け、機器の選定や人員配置を決定
- 検体測定時間は最大でも20分。(+検体遠心時間等)
エコー検査は常時2名体制で行い、混雑時には臨機応変に人員配置できる体制を整えています。 - 3.24時間検査可能な体制
- 血液ガス、生化学の基本項目と血算は24時間即時検査可能。
- 4.医師や患者様のニーズに応え、多岐にわたる検査の実施
- 腫瘍マーカー(CEA、CA19-9等)、感染症(HBs抗原、HCV抗体、HBs抗体)等も即日結果報告可能。
輸血分野においては、認定輸血検査技師が2名在籍しており、不規則抗体同定や赤血球抗体解離試験など高度な精査にも対応しています。また輸血管理システムを用いて、輸血用血液製剤とアルブミン製剤の一元管理や、輸血副作用の管理も行っています。当日輸血にも対応可能です。
超音波検査は基本的には超音波検査士の資格を有したスタッフが担当しており、どの領域でも検査できるようトレーニングしています。また、検査の標準化・医師や患者様に伝わりやすいレポ-ト作成に力を入れています。 - 5.患者様にとって分かりやすい報告書
- 自分の検査結果が正常なのか異常なのかが一目でわかる報告書としています。
又、糖尿病の患者様には、ヘモグロビンA1cの推移が一目で分かるようなグラフをお渡ししています。
患者様用報告書
ヘモグロビンA1cのグラフ
- 6.臨床支援
- 簡易SAS解析、CPAP解析、SMBG指導・データ管理、病棟業務(翌日検査案内)
- 7.精度管理
- 年間最低2回は、(社)日本臨床衛生検査技師会主催のものをはじめ外部精度管理調査に参加し精度を保っています。
※(社)日本臨床衛生検査技師会が認証する「精度保障施設認証」を取得しています。
所有資格
主な所有資格 | |||||
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認定資格 | 細胞検査士・国際細胞検査士 | 1名 | 国家資格 | 有機溶剤作業主任者 | 2名 |
特定化学物質作業主任者 | 2名 | ||||
超音波検査士 | 3名 | ||||
認定心電検査技師 | 2名 | ||||
認定認知症領域検査技師 | 1名 | その他 | 個人情報管理者 | 1名 | |
医業経営コンサルタント | 1名 | ||||
眼科コメディカル(OMA) | 1名 |
院内外研修および学会活動
検査部内研修(2019年度) | |
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開催月 | テーマ |
4 | 医療法改正について |
5 | ARIETTAにおけるエラスト測定について |
6 | 在宅輸血 |
7 | 血液像検査について |
8 | 検体の取扱い方 |
9 | 溶血性輸血副作用について |
10 | 認知症スクリーニング検査 |
11 | 輸血業務Q&Aについて |
12 | 検査説明と評価ポイント |
1 | 腹部エコー症例検討 |
2 | 心電図パニック報告 |
3 | 新型コロナ検査を例に統計学的見地を深めよう |
病院内研修(2017~2019年度) | |
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開催月 | テーマ |
2019.4 | 検体の取り扱いについて(看護師対象) |
2017.8 | 心電図のとり方と読み方(看護師対象) |
2017.10 | 輸血研修会(看護師対象) |
2018.8 | 心電図のとり方と読み方(看護師対象) |
2019.4 | 検体の取り扱いについて(看護師対象) |
2019.8 | 院内感染研修会:院内における分離菌の推移(職員対象) |
2019.8 | 心電図のとり方と読み方(看護師対象) |
2020.3 | 院内感染研修会:新型インフルエンザ事業計画(職員対象) |
学会発表、院外勉強会、論文掲載(2017~2019年度) | ||
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日付 | 学会名 | 演題名 |
2017.6 | 第65回日本輸血・細胞治療学会総会 | 輸血管理システム導入による輸血業務体制の再構築; 小規模病院の取り組み(続報) |
2017.10 | 第52回日臨技九州支部医学検査学会 | チーム医療における病棟業務へのかかわり ~中小規模病院での取り組み~ |
2018.2 | 北九州地区新春講演会 | 認知症の検査について;認定認知症領域検査技師とは |
2018.3 | 第2回臨床検査研修会(福岡) | 認知症~認定認知症領域検査技師としての役割~ |
2019.5 | 第68回日本医学検査学会 | 全自動尿統合型分析システムAtellica1500 における尿一般検査フローの検討とTAT の比較 |
2019.6 | 医療と検査機器・試薬 | 尿検査機器更新でワークフロー改善 ~TATの短縮・業務効率化を図る~ |
2019.6 | 第29回福岡県医学検査学会 | 全自動尿統合型分析システムAtellica1500の運用検討 |
2019.10 | 第51回日本臨床検査自動化学会 | 未来を見据えた検査室の構築 |
2019.10 | 第51回日本臨床検査自動化学会 | 全自動尿統合型分析システムAtellica 1500の機能活用による |
2019.10 | 第51回日本臨床検査自動化学会 | Atellica SolutionにおけるオートQCの安定性 |
2020.1 | 医療と検査機器・試薬 | 臨床検査分析装置一括導入に伴う運用効果の検証 |